| 解体前の我が家。2005年3月、引っ越し直前に撮影。この少し前までは、地面には芝生、門柱のところに大きな梅の木がトンネルのように生えていたり、生け垣がぐるっと巡っていたりしたのですが。 | | 2005年4月9日頃から、解体が始まる。 | | 徐々に土台が見える。 | | ショベルカーがいると、解体されている事実が胸に迫る。 | | 2005年4月18日、すっかり何もなくなった。建てるのは長い時間がかかるのに、壊すのは簡単なのだな。 | | 半年もすると、草ぼうぼうになっていて、物悲しい感じ。2005年12月。 | | 5年ぶりに訪れた。盛り土をした駐車場に変貌していた。 | | 入り口側を見る。 |
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5年ぶりに、前の家の跡を見に行きました。 高輪の家は、当時いた市の道路拡張工事計画などの関係で、数十年いたその土地からの立ち退きを求められ、2005年4月に現在の所に引っ越しをしているのですが、引っ越し時、単に家を残したまま引っ越すのではなく、家を壊して更地に戻すという一大事があった訳です。 長年住んでいた家を、壊すという事。 母などは、壊れて行くさまを見たくないと言って殆ど見には来なかったのですが、そこで生まれ育った私だけでも、一部始終を見届ける義務があるとも思い、引っ越してから何度か様子を見には行っていたのですが、更地になってしまってからは今の家での暮らしや、仕事が忙しくずっと行く事もなく過ごしていましたが、今回、そういう機会があり、本当に久々に家の跡を確認しに行ったのでした。
「たぶん、このへんにあれがあった」と思い出せるものの、きっちりと整理されていて、正確な位置が解らないくらいになっていました。 周囲の家も、だいぶ変貌していたせいもあると思います。
そして何より、家の前を含む周辺の道が、「こんなに狭くて小さい道だったっけ」というくらい小さく見えました。すれ違いなど絶対に出来ない、車1台が通るのが本当にやっとの道です。いや、住んでいた頃はそれが当たり前だったのですが、離れてみると、その狭さに少し驚く自分がいました。
ぐるっと四方を見回しました。 隣接する脇の畑には、昔と変わらずに長ネギが生えていて、うちと前の家の境にある紅梅の古木にもたくさんの花がつき、昔と同じようにまた春が巡って来た事を知らせていました。
目が、少しじわっとしました。
ひとしきり見て空気を吸ったのち、思いを切り替えるように、敷き詰められた砂利をジリッジリッと踏みしめ、そこをあとにしました。 しばし昔に戻ったひと時でした。
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